2021.12.5(日)
冬季昇段審査
飯田橋道場開催
今回の昇段審査の挑戦者は社会人の壮年部二名です。
社会人として堅実に働きながら、定めた日は稽古を休まず、コツコツと鍛錬を重ねてこの日を迎えました。
午前中の稽古に出席していましたので、私が教える機会が多く、一から成長する姿を見てきた二人です。
実力は知っています。
昇段審査を進めたのも私ですが、心配したのは昇段審査という特別な緊張の場で、普段の力を発揮できるか?です。
心配な気持ちとは裏腹に審査前は「一つでもミスがあれば昇段はできませんよ」と発破をかけおきました。
これも一つの試練、鍛錬です。
相当なプレッシャーと、初の10人組手の恐怖心?があっただろうと想像できます。
乗り越えることができるか?
信じる気持ちはありますが、こればかりはどうなるか誰にもわかりません。
という事で、当日私は見守るだけで審査せず、相談役の先生方お二人と、師範代二人に昇段の合否を委ねました。
基本動作等は午後の少年部と一緒に行いました。
その模様を何点か。
午前一般壮年部で共に稽古する後輩二人も昇級審査に挑戦しています。
後列二人が昇段審査受審者です。
体力審査の拳立て伏せは100回に挑戦です。
逆立ちは歩行して道場を往復します。 何度か転倒しましたが最後まで歩き続けました。
型審査。
平安1〜5迄は少年部との審査で打ち込みました。
午前稽古の後輩と共に。 少年部の審査が全て終了し、密を少しでも避ける為、子供達は昇段審査を見学せず帰宅しました。
ここからは二人だけです。
運足基本動作の打ち込みを審査します。
この運足も前後するのではなく、全て回転を掛けながら行います。
大山倍達総裁の考案した極真伝統の鍛錬稽古です。
私も大山総裁の稽古で気を奮い立たせながら稽古したものです。
見た目は回転を繰り返すだけですが、稽古した者でなければ、その厳しさも効果も分かりません。 バランス、動作の力強さ、スピード、キレ、全て申し分ありません。
ここからは最難関の型審査です。
一つでもミスがあれば昇段はさせないと申し付けてあります。
型審査の始まりです。 打ち込んだ型は。
太極1.3
足技太極1〜3
平安1〜5の裏
撃砕1〜3
突きの型
サイファ
セイエンチン
抜塞
鉄騎その1
三戦
ここ三年間で改定された型を全て打ち込みました。
途中、体力の限界に近づいてからの覚醒したような集中力は圧巻でした。
稽古を真剣に重ねたからこその心境だと思います。
ここまで集中すれば型を間違えるはずもありません。
全ての型を文句なく打ち込み終えました。
最後は10人組手です。
ほとんどが先輩相手となりました。
どこまで戦うことができるか⁉︎
先輩相手に技量、力量で敵わないの仕方ありませんが、心が逃げれば昇段は当然ありません。
これも最後まで挫けず戦い抜き、審査の全てが終わりました。
二人とも堂々たるもの。
昇段審査の受審を決めてからの二人の一年の猛稽古は実力を二倍にも三倍にもしましたが、二人とも恵まれた才能を持ち稽古を始めたわけではありません。
一人は一年前まで開脚も90°程で、掌を地面につけるのがやっとでした。
諦めていた柔軟性も、共に昇段審査を受ける仲間と努力し、この一年で胸がつくまでになりました。
また一人は欠点を埋める為に審査の一ヶ月前に関東大会に出場させました。
試合も初、昇段審査も初で気の休まる日は無かったと思います。
その全てを受け入れて挫けることなく、努力し続けた成果を存分に発揮した審査でした。
組手が終わり先生方、師範代に合否を尋ねると。
全員合格で良いとの事。
私もほっとし、感無量でした。
勿体ぶる必要もありませんので、審査の終わったその場で初段合格を発表となりました。
おめでとうございます!
審査を終え相談役の先生、師範代、先輩、後輩と。
空手の道は果てしなく続きます。
黒帯に成ったとはいえ上には上があります。
現状に満足する事なく稽古精進を重ねて下さい。
押忍。
✏️師範杉村。