2025 6月17(火)〜24(火)
合宿所のチェコ オストラダまでは、成田空港→ドーハ空港→Vienna空港→車4時間。
飛行機の大幅な遅れもあり、合宿所に到着したのは21時。
長旅となりました。
明日は午前中、10時から稽古です。
今日はこのままホテルで休むことにしました。
気を入れて明日から頑張らねば!
朝までよく眠れ、目を覚ますと窓からは柔らかな陽が差し込んでいます。
この日から日本は猛暑が始まったとのニュースでしたが、チェコのオストラダはカラッとした暖かさでとても爽やかな陽気です。
稽古までは時間がありますので走りに出かけます。
海外で体調を整えるのは汗を流すのが一番です。
チェコは高い山がないとのことですが、合宿所の周りは森林が広がり、川が流れています。

気持ちよく8kmほど走り合宿所に戻ります。


随分前にイスラエルでランニングした時は、道に迷い大変な思いをしましたが、今はスマホが海外でも日本同様に使え、地図が見れるので安心です。
合宿所に戻り、綺麗な芝生のグランドがありましたので、腕立て伏せなとの体力作りをしていると、チェコ極真の若い子達が集まってきました。

しばらく遠間から眺めていましたが、型稽古を始めると、サッと寄ってきてOsu!と十字を切って挨拶してきます。
型稽古を始めたので、私だと気がついたようです。
皆と握手をして早朝の自主稽古を終えました。
いよいよ指導開始です。
チェコキャンプの参加者は約40名。
参加国はチェコ、スウェーデン、ノルウェー、ポーランド、スロバキアです。
チェコは発足したてで、道場が2ヶ所あり、それぞれに道場責任者がいますが、まだ支部にはなっていません。
それだけに、これから大きく成長する可能性があり、極真の稽古、伝統を正しく伝える必要があります。
合宿規模は他国に比べて小さいですが、隣国から支部長が参加してくれたことは、とても嬉しい思いです。
左からノルウェー支部長Marius hamza ommedal、スウェーデン支部長アンドリュー・ホー、ポーランド道場責任者Dariusz cymmerman

ヨーロッパで合宿を行うと必ず会いに来てくれます。
感謝。
稽古は、5日間で9クラスあり各2時間。
5日間の稽古の様子をまとめてご覧下さい。
午前の稽古。
10時〜12時
森林の中を毎朝5、6km走ります。
澄んだ涼しい空気は最高です!
本当に気持ち良く、どこまでも走れそうな気分になります。
ランニングの後は野外グランドで稽古です。






型稽古。


補強やダッシュも!



午後稽古。
18時から始まる稽古は屋内で行いました。
初日は定置基本、移動基本、をたっぷりと。
量の稽古無くして大山総裁の稽古は語れません。
後半は皆さんフラフラに!
初日厳しく、その後の稽古は技術的なことを多くしていきました。











型稽古。



もちろん組手も。

最終日の稽古は皆さんから質問してもらい、私なりの答えを出しながら進めていきました。


ハッとするような側面からの質問もあり、こちらも様々考えされられ勉強になりました。
合宿では昇級審査も行われて7名が受審しました。
















全員合格!
心技体共に、日頃から真剣に稽古している様子が伺えます。
厳しい合宿を乗り越えての合格でしたので、審査終了後のその場で発表した時は、皆本当に嬉しそうでした。
皆さん頑張りましたね!
おめでとうございます!
合宿稽古はこの様な形で進められ、無事滞りなく終了しました。
びっしりと稽古スケジュールが組まれた合宿でしたが、その合間をぬい観光にも出かけました。
各国の支部長と道場生数名と共に、1時間ほど離れた古城へ。




古城までの道すがらアイスを齧りながら、野生の鹿を見つけたりと、皆で和気藹々とハイキングを楽しみました。



チェコ責任者のJiri Skreko初段と。

合宿を企画開催しています。
彼のおかげで、合宿中は快適に過ごすことができました。
ありがとうございます。
セスナにも乗りました。



前日の古城を上から眺めたり、オストラダ上空のフライトを楽しみました。
海外指導は食事が楽しみの一つになります。
チェコの食事はと言いますと。
まずは朝食。
朝は毎食このような感じ。
野菜、チーズ、パン、果物などなど。


昼は近くのレストランへ。
5日間でいろいろ食べてみましたが、何を食べても美味しいです。





こちらは鴨肉だそうです。
全て美味しかったのですが、写真中段右のチーズをのせたパンの食感が初めてのもので、驚くほど美味しかったです。
夜は毎晩BBQとキャンプファイヤーを楽しみました。
鉄串にソーセージを刺して焼くのはチェコの伝統文化だそうです。
若い道場生から年配の道場生まで、皆同じように焼いて食べていました。






前の女性はノルウェー支部長の奥様、私と話している女性はポーランド支部3段の強者です。
様々な食材を薪や炭を使って調理し、美味しいものを食べながら、皆で始終和やかな楽しい時間を過ごしました。
BBQ以外にも、皆さんが毎晩自国の料理を作って食べさせてくれますが、スウェーデンの支部長が「食べましょう!」と缶詰を持ってきました。
皆んながざわつき始め、若い道場生達も集まり、缶の置かれたテーブルに人の輪ができます。
缶詰はこちら⁉︎

シュールストレミングという、塩水につけたニシンだそうで強烈な臭いがするとのこと。
10mは離れないと大変なことになるそうです。
缶詰を手に取りましたが何も臭いません。
開けてないので当たり前ですが…
缶をテーブルに置き離れて座ります。
いよいよスウェーデンの支部長が開けにかかると。
缶詰を囲っていた小さい輪が一気に膨れて10mの輪になりました。
缶切りを刺すと!プシュッと大きな音がし、支部長はタオルで口を覆っていますが、苦しそうな顔をしています。
シーンと静まり返り、皆恐る恐る息をしている様子です。
しばらくの間静寂が続きましたが、臭いが届き始めると、ワォッ!と一斉に大騒ぎです。
ものすごい臭いがします!!!

私も離れて座っていましたがはっきりわかります。
かなりのものです!が想像していた魚の匂い⁉︎
魚の生臭さの延長といった感じで、強烈ではありますが、日本人なら「あゝこの匂いの強いものか」といったところでしょうか。
そのうち、皆が盛り上がりだし「師範!師範!」とコールが⁉︎
いつの間にか、ゲストの私が食べなければならない空気になり一番手に。
「こりゃまいったな」と思いつつも、食べなければ収まりそうにありません。
正に臭いものには蓋をせず、背中を見せない!状態です。
覚悟を決めて。
近くによると強烈!
手に取ろうにもどろっとしていてなかなか摘めません。
なんとか手に取り一気に口の中へ入れます。
一気に匂いが鼻にきます。
正直言って美味しいとは感じませんが、食べられなくは無い…と言ったところです。
皆からオーと歓声が上がり、私も皆に勧めます。
その後は皆さん、パンに野菜と一緒に挟み食べていました。
食材を扱うには、あまりよろしくない書き方で、好きな人や、スウェーデンの人に怒られそうですが、スウェーデン支部長は最後まで頑なに食べませんでした。
本当に苦手なようです。
余談の方が長くなりましたが、5泊6日の合宿は稽古クラスも時間も長く、厳しいものとなりました。
その分合宿参加者の皆さんも、稽古に余暇にと充実した時間を過ごせたのではないかと思います。
海外指導で毎回感動するのは、どの国に行っても胸の極真会の文字を誇りに、どんなに苦しくとも「押忍!」と背筋を伸ばし、前を見据え、強くなろうと一生懸命汗を流している人がいる事です。
大山倍達総裁の創り上げた極真は素晴らしいものだと、指導に赴た先々で反対に教えられる思いです。
今回も様々な人のサポートで、合宿を楽しく無事終えたことを感謝いたします。
コロナ禍が開け海外指導が元に戻ってきました。
道場を長々と開けることが多々ありますが、道場生には世界中の極真を稽古する人の熱を土産話に持っていきます。
皆もそれを受け取り、一つの糧にしてもらえたらと思います。
7月入って早々にブルガリアの合宿指導に行きますので、再び道場を開けることになりますが、道場生の皆さんは師範代、指導員の先輩の号令の下しっかりと稽古をして下さい。
世界中の極真空手を志す人々が、向上心を持ち、自身に打ち勝つために日々汗を流しています。
道場の皆さんも負けずに稽古を重ねて下さい。
共に頑張りましょう!
押忍。
✏️師範杉村。